JAFジュニア選手権 東西統一戦レポート

2009.10.24〜25 in 鈴鹿サーキット南コース

天気 曇り  路面 ドライ 24℃

気温1723℃  湿度6845

 

 この全日本Jr東西統一戦は、今年最後の全日本Jrのレースとなります。僕は今年経験してきたことの集大成をこのレースで出し切るのが目標でした。

 

 今回のために、10月4日に行われたSL全国大会で投入した新車でレースに挑みました。今まで使ってきたシャシーは、08年モデルのスーパーウィンフォース(SWF)というマシンで、今回の新車と言うのは、そのSWFの今年(09年)モデルのマシンです。全日本の最高峰に参戦しているワークスチームがテストし、進化させたマシンです。

 

僕は08年モデルと09年モデルを、レースの2週間前に鈴鹿での練習で比較テストしました。比べてみると、その2つのマシンは、全然性格の違うマシンでした。僕は09年モデルのマシンを操るのに苦労しました。ですが、マシンのフレッシュさはあるので、慣れればいけるはずと思い、09年モデルでレースに出ることを決めました。

 

 1週間前の鈴鹿の練習は09年モデルのマシンで1日しっかり走りました。この日はまあまあ調子も良く、自分自身も09年マシンに慣れることが出来ました。この時には、来週のレースでもいけるだろうと思っていました。

 

 レース前、金曜日に走ることが出来ないので、土曜日からの走行となりました。天気はずっと曇り。土曜日は、木、金曜日から走っている全日本KF1,2クラスのハイグリップタイヤのラバーがしっかり載り、最初から路面は出来ていました。この路面でしっかり09年モデルのマシンのセットアップをしていきたかったのですが、走行できるのは20分のセッションが4回のみでした。それでも、心の中ではいけるという自信があったのですが、この日とても苦しみ、いろんなことに悩みました。この日からレンタルエンジンを2基支給され、それで走行するので全員がイコールコンディションです。まず、午前にレンタルエンジン2基のどちらをレース用にするかテストしました。それをしながら、マシンのセットアップを進めていこうとしましたが、今までの経験やデータが活きず、方向性を見失ってしまいました。タイムも伸び悩んでいました。午後からは新品タイヤを履いて走りました。そのセッションだけは良いベストタイムが出ましたが、タイム自体は安定せず、根本的な原因を解決できてはいませんでした。午後の2セッション目には、急にタイムが落ちてしまったりして、よく分からないままこの日の走行を終えました。練習が終わってから、夕方ごろに雨が一度降りました。

 

 決勝当日、路面は乾いていて、雨の影響はありませんでした。土曜日の4セッションの走行のデータをもとに父と悩みながら、セッティングを変えて挑みました。

 朝の公式練習は、セッティング変更の効果を確かめました。前日よりかは良い感じだったのでタイムトライアルを考慮して、3周で終えました。

 タイムトライアルはA組でした。誰かのスリップを使わないと良いタイムが出せなかったので最初から他のドライバーをマークしていきました。しかし、ついていくことができず、「もっと攻めないと!」と気持ちが焦りスピン。すぐ復帰して、早いドライバーを捕まえ何とかスリップを使ってタイムアップ。結果は、AB総合8番手でした。なんとか、予選ヒートに望みをつなげました。

 

 予選ヒートは、スタート後のポジション取りを意識していきました。1,2コーナーでよいポジションを取りスタートで6番手までアップ。トップ5台は離れていましたが、入れ替わりが激しくラップタイムが悪かったので、追いつきました。「さぁここから!もっとポジションアップしよう」と思いましたが、後ろから仕掛けられさらに後続にも抜かれ、8番まで落ちると、リズムを乱し、マシンセットに不安がある分ペースが上がらず、心も乱れ、ますますコーナーもストレートもまともについていけなくなってしまいました。結果は、10番手でゴールでした。

 

決勝に向けて僕は、あまり大きなセッティング変更をする勇気がありませんでした。それに、根本的な原因が分かりませんでした。キャブレターを違うものに取り替えて、リアのハブトレッドも少し変更し決勝に挑みました。10番手スタートでしたが、なんとかスタートでポジションアップして前に喰らいついていこうと思っていました。

スタートは、予選ヒート同様うまく決まり1周目のヘアピンコーナーを回った時に5番手までアップしました。そのとき4〜7番手の集団と、トップ3台と離れ始めていました。最終コーナーで4番に仕掛けることも出来たが、マシンセットに不安のある僕は、ペースが悪いので抜くのを止めついていくと、すかさず後ろから抜かれました。続けて1,2コーナーで前の5,6番手がバトル。それにつまった僕は加速が鈍り、すかさず8番手が並んで仕掛けてきました。加速が鈍っていたので引くしかありませんでした。3コーナーの進入でやむなく引くと、後ろから追突され、リアタイヤが浮いてスピン。コースアウトしました。すぐに復帰はしましたが、最後尾からの追い上げも、ペースが上がらず1台も追いつけずに25位でゴールでした。

 

今回の反省は、まず僕がマシンの力をしっかり出し切れる状態を作れなかったことです。正直、「マシンが新しいもので性格が違うけれど、最初から速く走れる」と甘い考えでいました。今回のレースのために、09年モデルのマシンで練習したのは実質、1週間前の1日のみです。しかも、その日はまだハイグリップタイヤのゴムが載っていない為、他とあまりタイム差が大きくありませんでした。まあまあのタイムが出せていたので、マシンを完全に理解できずに、根本的な部分が間違っていることに気づきませんでした。僕自身も、新車に感覚を慣らしていくうちに走りも変わっていて、限界を掴みきれていませんでした。そういうことから、レースも思うようにいかず、アクシデントに巻き込まれるような場所で走ることになってしまったと思います。

 

こういうところが準備不足でした。新しいマシンをしっかり入念にテストして挑むべきでした。決して、マシンの能力が低いわけではありません。僕の新しいマシンへの適応能力、セットアップ能力の経験不足が、今回のようなレースになってしまった原因だったと思います。今回の経験は、将来の自分のために絶対役立ちます。毎年必ずモデルチェンジするので、いつでも自分の走りに完全にマッチングするとは限りません。いつかは走りを少し変更する時も来るだろうし、セットアップの方向だって、同じメーカーのマシンでも変化します。そういうなかでいつでも素早く対応し、そのマシンの能力を最大限引き出す。そういうことが出来る技術の幅が広いドライバーが理想です。

 

これから、そういうドライバーとしての技量の面をもっと強化をしていきます。気持ちのコントロールをいつでも出来るメンタルと、どんな状況でも限界まで攻められる技術の幅、そしてどんなマシンでも最適なマシンセットを出すセットアップの能力。そういうところを意識して練習し、これからもっと進化していきます。

 

スポンサー様、応援して下さった皆様、KARTKOZO RACINGの築山様、そして今回カウルステッカーをサポートしていただいたWBRS・Buzzinternationalの長谷川様、本当にありがとうございました。今シーズンの残りの主なレースは、SL瑞浪シリーズ第8戦、最終戦です。第8戦はもう今週末です。今回のレースで学んだこと、次につなげる課題を見つけることが出来ました。1戦1戦を大事にし、必ずその日の経験から何かを学び取って、成長を続けていきます。残りのレース、最高の結果を報告出来るよう自分のベストを尽くします。応援よろしくお願いします。

 

 

KARTKOZO RACING

林 周平